生体認証とは?仕組みや8つの種類、導入するメリットを紹介

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本人認証の仕組みとしては、ユーザーIDとパスワードを組み合わせた認証方法が一般的です。しかし昨今では、本人の身体の一部を使って認証を行なう“生体認証”が注目されています。

ユーザーIDとパスワードを使った認証方法よりもセキュリティが高い生体認証は、これまで限られた場面でのみ利用されてきました。しかし、近年ではさまざまな場面で生体認証が用いられるようになってきています。

この記事では、生体認証の仕組みや種類、また導入するメリットやポイントなどについて解説します。

■生体認証とは?

初めに、生体認証とはどのようなもので、なぜ必要とされているのかについて見ていきましょう。

◇生体認証とは

生体認証は指紋や静脈、声など身体の一部を使った認証方法で、“バイオメトリクス認証”とも呼ばれるものです。

生体認証を利用するには、あらかじめ、個人を特定できる身体的・行動的な特徴を登録しておく必要があります。例えば、指紋認証では事前に指紋を登録しておき、認証の際に指をセンサーに当てて照合することで本人認証が可能です。

近年では、スマートフォンのロック解除やATM、クラウドサービスのログインなど、身近なシーンで生体認証の利用が広がっています。

◇生体認証はなぜ必要なのか

生体認証は、情報漏えいや不正アクセスの防止、企業の機密情報や個人情報の保護などのために役立ちます。

従来のユーザーIDとパスワードによる本人認証だけでは、個人の“なりすまし”を完全に防ぐことはできません。生体認証は本人以外が認証を通過することが難しいため、より確実な本人認証の仕組みとして必要とされているのです。

加えて、生体認証は勤怠管理システムなどにも広がっており、不正打刻防止や管理の手間削減にも活用されています。

■生体認証の仕組みについて

生体認証の仕組みについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

生体認証では、あらかじめデータ化して保存された身体的な特徴を、認証時に利用することで照合を行ないます。

例えば、指紋認証であれば指紋を読み取る機器を使ってデータ化し、身体特徴データとしてデータベースに保存しておきます。認証時には再度指紋を読み取り、保存されている身体特徴データと比較し、一致すれば本人として認証されるのです。

事前に読み取り、データ化された情報はテンプレートと呼ばれます。指紋や顔、音声などさまざまな種類の生体認証が存在しますが、身体的特徴をテンプレート化してマッチングする仕組みはすべてに共通しています。


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■生体認証には8つの種類があるsub1.jpg

生体認証にはさまざまな種類があります。ここでは8つの生体認証の種類について、それぞれの特徴と併せて概要を解説します。

◇指紋認証

最も身近な生体認証である指紋認証は、事前に指紋を読み取って作成したテンプレートと照合することで、本人認証を行なうものです。スマートフォンのロック解除にも利用されており、多くの方が利用したことがあるかもしれません。

指紋認証は、読み取り装置が小型で導入コストが安価である反面、指の状態が認識精度に大きく影響することが難点です。

◇顔認証

顔認証では、目や鼻などの形やバランスに基づいて認証を行ないます。こちらもスマートフォンのロック解除や、空港での出入国手続きなどでも利用されているため馴染み深い生体認証の一つでしょう。

顔認証は、カメラに顔を向けるだけで済むため手軽ですが、マスクやメガネ・照明・顔の経年劣化などによって認識精度に影響が出ます。

◇音声認証

声紋認証とも呼ばれる音声認証は、声の特徴を周波数から判断して認証する方法です。

発声さえできれば認識でき、必要な機器はマイクだけのためスマートフォンでも簡単に利用できます。一方で、体調や周囲の環境音などが認識精度に影響をおよぼすこともあります。

◇静脈認証

静脈のパターン(血管の形や分岐点など)に基づき、認証を行なう方法です。他の生体認証よりも制度が高く、偽装することが難しいため、金融機関のATMなど高いセキュリティレベルが求められる場面で利用されています。

静脈は指紋と違って一生変わらないものですが、認証に必要な機器が高額であることや体調の変化により認識精度に差がある点がデメリットです。

◇DNA認証

遺伝子配列の特徴に基づいて本人認証を行なうDNA認証において、理論上の精度は100%です。DNAはあらゆる細胞に格納されており、表皮・髪の毛・爪などのわずかな身体のパーツから個人を特定できます。

しかし、DNAの判定には時間と手間がかかるため、ほとんど利用されていないのが現状です。

◇行動認証

行動認証はその他の生体認証と異なり、生来の身体的特徴を利用したものではなく、後天的に身につけた習慣などを認証に利用する方法です。

代表的な行動認証の一つに、筆跡が挙げられます。文字を書く癖は簡単に第三者が真似できないことから、信頼性の高い認証方法といえるでしょう。

◇虹彩認証

虹彩認証は、眼球の虹彩をテンプレートとして本人認証を行ないます。虹彩は一生変化することがないとされ、また個人によって異なるため認証制度が高い認証方式です。

海外では空港やスマートフォンの認証として利用されていますが、照明が認証制度に影響することがあります。

◇耳介認証

耳介認証は、耳の形で本人認証を行なう方式です。顔の見た目と違って加齢や化粧などによる変化が少なく、比較的高い精度で本人認証を実現でき、犯罪捜査などでも活用されています。

耳介認証は手軽な認証方式ですが、髪型や照明などが認識精度に影響をおよぼします。

 

■生体認証を導入するメリット

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生体認証は、導入する企業と利用者の双方にメリットをもたらします。ここでは、企業側と利用者側、それぞれの視点からメリットを見ていきましょう。

◇企業側のメリット

企業側のメリットとしては、“高セキュリティの実現”・“生産性の向上”・“コストの削減”などが挙げられます。

・レベルの高いセキュリティの実現

ユーザーIDとパスワードを使った認証では、それらを知り得た第三者でも本人認証を突破できるため、不正アクセスのリスクがあります。その点、生体認証では第三者が本人の身体的特徴をコピーすることが難しく、レベルの高いセキュリティが実現可能です。

・スムーズな認証による生産性の向上

ユーザーIDとパスワードを利用する場合、キーボードやスマートフォンなどから文字を入力する必要があります。そのため、パスワードが複雑なほど入力に手間がかかることが難点です。しかし、生体認証であれば指紋や顔などの特徴を読み取るだけで済むため、スムーズに認証が行なえます。

本人認証がスピーディーに行なえることで、大人数を対象としたログインや入退場の時間短縮・混雑の解消などが実現可能です。また、本人認証のための担当者を最小限に抑えられることで、人的コストの削減や生産性の向上も期待できます。

・コストの削減

生体認証は、パスワードと違って忘れることがありません。パスワードの場合、忘れた際に発生する問い合わせ・再発行にかかるオペレーションコストがありますが、生体認証であればこのようなコストを削減可能です。

また、ホテルのチェックインやコンビニの顔パス決済などで生体認証を活用すれば、業務の効率化が実現できます。

◇利用者側のメリット

利用者側のメリットとしては、スムーズに認証が行なえる点が最も大きいでしょう。

身体的な特徴を利用するため、認証のためのパスワードやICカードなども不要で、気軽に精度が高い認証を実現できるのです。

近年、不正アクセスの被害が増えていますが、原因としてパスワード管理の甘さが挙げられます。生体認証では煩雑なパスワード管理も不要なため、利用者は特に意識することなく高セキュリティな本人認証が実現できます。

加えて、顔認証や虹彩認証の場合は、指紋認証や静脈認証と違って物理的な接触がないため、衛生面での心配がない点もメリットといえるでしょう。

 

■企業で生体認証を導入する際のポイント

企業で生体認証を導入する際には、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、生体認証導入時のポイントや注意点について解説します。

◇どの程度セキュリティ対策をしたいかで認証方法を選ぶ

生体認証は、種類によって導入コストや運用コストが大きく異なります。比較的低コストの種類には指紋認証・顔認証・声紋認証が挙げられますが、これらは精度やセキュリティ面が他と比べると劣ります。

精度が高い種類としては、静脈認証や虹彩認証が挙げられますが、コストがかかる点がデメリットです。このように、それぞれ認証方法には一長一短な面があります。選ぶ際には、セキュリティ上の問題が発生したときのリスクとコストを比較することが重要です。

◇他人に再現されにくい認証方法を選ぶ

生体認証は、第三者によるコピーをされにくい点が特徴ですが、指紋や声紋は写真や音声データを使ってコピーすることも可能です。指紋などのように、比較的第三者が取得しやすい生体情報では、データが再現されるリスクがあることを覚えておきましょう。

静脈などの身体の内部にある生体情報であれば、コピーされる可能性が極めて低いため、これらを活用することも重要です。また、他人に再現されにくい認証方法として、生体認証とその他の認証方法を組み合わせることも有効でしょう。

例えば、プッシュ通知による認証との組み合わせは、利用者のスマートフォンに通知が届くため、

◇生体データをバックアップしておく

生体情報のなかには経年や体調、環境によって変化するものも少なくありません。1つの生体情報だけで認証していると、対象の情報が変化した場合に認証ができなくなってしまいます。
そのため、生体データはバックアップを取っておくことが重要です。バックアップ方法としては、複数の生体データを登録しておくことをおすすめします。
例えば、指紋認証であれば複数の指の指紋を登録しておくことで、対象の指を怪我してしまった場合でも、他の指で認証が行なえます。

 

■まとめ

生体認証は、指紋や静脈などの身体的な特徴を使い、本人認証を行なう仕組みです。近年では、スマートフォンのロック解除やクラウドサービスのログインにも導入されるなど、利用される場面が増えています。

生体認証を活用することで、企業側はスムーズかつ高セキュリティな認証を実現できるだけでなく、コストの削減も期待できます。また、利用者側は認証にかかる手間を減らし、スムーズな認証が実現できるというメリットが挙げられるでしょう。

生体認証を導入する際には、どの程度のセキュリティ対策が必要かを検討したうえで、認証方法を選択してください。他人に再現されにくい認証方法を選ぶ、複数の認証方法を組み合わせる、生体データをバックアップしておくなども重要です。

 

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生体認証とは?仕組みや8つの種類、導入するメリットを紹介

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本人認証の仕組みとしては、ユーザーIDとパスワードを組み合わせた認証方法が一般的です。しかし昨今では、本人の身体の一部を使って認証を行なう“生体認証”が注目されています。

ユーザーIDとパスワードを使った認証方法よりもセキュリティが高い生体認証は、これまで限られた場面でのみ利用されてきました。しかし、近年ではさまざまな場面で生体認証が用いられるようになってきています。

この記事では、生体認証の仕組みや種類、また導入するメリットやポイントなどについて解説します。

■生体認証とは?

初めに、生体認証とはどのようなもので、なぜ必要とされているのかについて見ていきましょう。

◇生体認証とは

生体認証は指紋や静脈、声など身体の一部を使った認証方法で、“バイオメトリクス認証”とも呼ばれるものです。

生体認証を利用するには、あらかじめ、個人を特定できる身体的・行動的な特徴を登録しておく必要があります。例えば、指紋認証では事前に指紋を登録しておき、認証の際に指をセンサーに当てて照合することで本人認証が可能です。

近年では、スマートフォンのロック解除やATM、クラウドサービスのログインなど、身近なシーンで生体認証の利用が広がっています。

◇生体認証はなぜ必要なのか

生体認証は、情報漏えいや不正アクセスの防止、企業の機密情報や個人情報の保護などのために役立ちます。

従来のユーザーIDとパスワードによる本人認証だけでは、個人の“なりすまし”を完全に防ぐことはできません。生体認証は本人以外が認証を通過することが難しいため、より確実な本人認証の仕組みとして必要とされているのです。

加えて、生体認証は勤怠管理システムなどにも広がっており、不正打刻防止や管理の手間削減にも活用されています。

■生体認証の仕組みについて

生体認証の仕組みについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

生体認証では、あらかじめデータ化して保存された身体的な特徴を、認証時に利用することで照合を行ないます。

例えば、指紋認証であれば指紋を読み取る機器を使ってデータ化し、身体特徴データとしてデータベースに保存しておきます。認証時には再度指紋を読み取り、保存されている身体特徴データと比較し、一致すれば本人として認証されるのです。

事前に読み取り、データ化された情報はテンプレートと呼ばれます。指紋や顔、音声などさまざまな種類の生体認証が存在しますが、身体的特徴をテンプレート化してマッチングする仕組みはすべてに共通しています。


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■生体認証には8つの種類があるsub1.jpg

生体認証にはさまざまな種類があります。ここでは8つの生体認証の種類について、それぞれの特徴と併せて概要を解説します。

◇指紋認証

最も身近な生体認証である指紋認証は、事前に指紋を読み取って作成したテンプレートと照合することで、本人認証を行なうものです。スマートフォンのロック解除にも利用されており、多くの方が利用したことがあるかもしれません。

指紋認証は、読み取り装置が小型で導入コストが安価である反面、指の状態が認識精度に大きく影響することが難点です。

◇顔認証

顔認証では、目や鼻などの形やバランスに基づいて認証を行ないます。こちらもスマートフォンのロック解除や、空港での出入国手続きなどでも利用されているため馴染み深い生体認証の一つでしょう。

顔認証は、カメラに顔を向けるだけで済むため手軽ですが、マスクやメガネ・照明・顔の経年劣化などによって認識精度に影響が出ます。

◇音声認証

声紋認証とも呼ばれる音声認証は、声の特徴を周波数から判断して認証する方法です。

発声さえできれば認識でき、必要な機器はマイクだけのためスマートフォンでも簡単に利用できます。一方で、体調や周囲の環境音などが認識精度に影響をおよぼすこともあります。

◇静脈認証

静脈のパターン(血管の形や分岐点など)に基づき、認証を行なう方法です。他の生体認証よりも制度が高く、偽装することが難しいため、金融機関のATMなど高いセキュリティレベルが求められる場面で利用されています。

静脈は指紋と違って一生変わらないものですが、認証に必要な機器が高額であることや体調の変化により認識精度に差がある点がデメリットです。

◇DNA認証

遺伝子配列の特徴に基づいて本人認証を行なうDNA認証において、理論上の精度は100%です。DNAはあらゆる細胞に格納されており、表皮・髪の毛・爪などのわずかな身体のパーツから個人を特定できます。

しかし、DNAの判定には時間と手間がかかるため、ほとんど利用されていないのが現状です。

◇行動認証

行動認証はその他の生体認証と異なり、生来の身体的特徴を利用したものではなく、後天的に身につけた習慣などを認証に利用する方法です。

代表的な行動認証の一つに、筆跡が挙げられます。文字を書く癖は簡単に第三者が真似できないことから、信頼性の高い認証方法といえるでしょう。

◇虹彩認証

虹彩認証は、眼球の虹彩をテンプレートとして本人認証を行ないます。虹彩は一生変化することがないとされ、また個人によって異なるため認証制度が高い認証方式です。

海外では空港やスマートフォンの認証として利用されていますが、照明が認証制度に影響することがあります。

◇耳介認証

耳介認証は、耳の形で本人認証を行なう方式です。顔の見た目と違って加齢や化粧などによる変化が少なく、比較的高い精度で本人認証を実現でき、犯罪捜査などでも活用されています。

耳介認証は手軽な認証方式ですが、髪型や照明などが認識精度に影響をおよぼします。

 

■生体認証を導入するメリット

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生体認証は、導入する企業と利用者の双方にメリットをもたらします。ここでは、企業側と利用者側、それぞれの視点からメリットを見ていきましょう。

◇企業側のメリット

企業側のメリットとしては、“高セキュリティの実現”・“生産性の向上”・“コストの削減”などが挙げられます。

・レベルの高いセキュリティの実現

ユーザーIDとパスワードを使った認証では、それらを知り得た第三者でも本人認証を突破できるため、不正アクセスのリスクがあります。その点、生体認証では第三者が本人の身体的特徴をコピーすることが難しく、レベルの高いセキュリティが実現可能です。

・スムーズな認証による生産性の向上

ユーザーIDとパスワードを利用する場合、キーボードやスマートフォンなどから文字を入力する必要があります。そのため、パスワードが複雑なほど入力に手間がかかることが難点です。しかし、生体認証であれば指紋や顔などの特徴を読み取るだけで済むため、スムーズに認証が行なえます。

本人認証がスピーディーに行なえることで、大人数を対象としたログインや入退場の時間短縮・混雑の解消などが実現可能です。また、本人認証のための担当者を最小限に抑えられることで、人的コストの削減や生産性の向上も期待できます。

・コストの削減

生体認証は、パスワードと違って忘れることがありません。パスワードの場合、忘れた際に発生する問い合わせ・再発行にかかるオペレーションコストがありますが、生体認証であればこのようなコストを削減可能です。

また、ホテルのチェックインやコンビニの顔パス決済などで生体認証を活用すれば、業務の効率化が実現できます。

◇利用者側のメリット

利用者側のメリットとしては、スムーズに認証が行なえる点が最も大きいでしょう。

身体的な特徴を利用するため、認証のためのパスワードやICカードなども不要で、気軽に精度が高い認証を実現できるのです。

近年、不正アクセスの被害が増えていますが、原因としてパスワード管理の甘さが挙げられます。生体認証では煩雑なパスワード管理も不要なため、利用者は特に意識することなく高セキュリティな本人認証が実現できます。

加えて、顔認証や虹彩認証の場合は、指紋認証や静脈認証と違って物理的な接触がないため、衛生面での心配がない点もメリットといえるでしょう。

 

■企業で生体認証を導入する際のポイント

企業で生体認証を導入する際には、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、生体認証導入時のポイントや注意点について解説します。

◇どの程度セキュリティ対策をしたいかで認証方法を選ぶ

生体認証は、種類によって導入コストや運用コストが大きく異なります。比較的低コストの種類には指紋認証・顔認証・声紋認証が挙げられますが、これらは精度やセキュリティ面が他と比べると劣ります。

精度が高い種類としては、静脈認証や虹彩認証が挙げられますが、コストがかかる点がデメリットです。このように、それぞれ認証方法には一長一短な面があります。選ぶ際には、セキュリティ上の問題が発生したときのリスクとコストを比較することが重要です。

◇他人に再現されにくい認証方法を選ぶ

生体認証は、第三者によるコピーをされにくい点が特徴ですが、指紋や声紋は写真や音声データを使ってコピーすることも可能です。指紋などのように、比較的第三者が取得しやすい生体情報では、データが再現されるリスクがあることを覚えておきましょう。

静脈などの身体の内部にある生体情報であれば、コピーされる可能性が極めて低いため、これらを活用することも重要です。また、他人に再現されにくい認証方法として、生体認証とその他の認証方法を組み合わせることも有効でしょう。

例えば、プッシュ通知による認証との組み合わせは、利用者のスマートフォンに通知が届くため、

◇生体データをバックアップしておく

生体情報のなかには経年や体調、環境によって変化するものも少なくありません。1つの生体情報だけで認証していると、対象の情報が変化した場合に認証ができなくなってしまいます。
そのため、生体データはバックアップを取っておくことが重要です。バックアップ方法としては、複数の生体データを登録しておくことをおすすめします。
例えば、指紋認証であれば複数の指の指紋を登録しておくことで、対象の指を怪我してしまった場合でも、他の指で認証が行なえます。

 

■まとめ

生体認証は、指紋や静脈などの身体的な特徴を使い、本人認証を行なう仕組みです。近年では、スマートフォンのロック解除やクラウドサービスのログインにも導入されるなど、利用される場面が増えています。

生体認証を活用することで、企業側はスムーズかつ高セキュリティな認証を実現できるだけでなく、コストの削減も期待できます。また、利用者側は認証にかかる手間を減らし、スムーズな認証が実現できるというメリットが挙げられるでしょう。

生体認証を導入する際には、どの程度のセキュリティ対策が必要かを検討したうえで、認証方法を選択してください。他人に再現されにくい認証方法を選ぶ、複数の認証方法を組み合わせる、生体データをバックアップしておくなども重要です。

 

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